留学生別科修了スピーチ発表会(2)(2007.1.30) |
「留学生別科修了スピーチ発表会」で最初に発表した金(キム)ヨセフさんのスピーチを紹介します。 「大好きな大家さん」 金 ヨセフ 私は短期大学の近くにあるむつみ荘というアパートに住んでいます。 このアパートは古くて人が住んでいる気配もなかったです。それでここで暮らすことができるのかなと思ったんですが、他のアパートに移れなかったのは大家さんがいたからです。最初、私が山形に来た時に優しく迎えてくれた大家さん。今まで聞いたこともない日本語で話しかけられても、私はただ笑うだけでした。それ以上は何も言えませんでした。私は大家さんが歯が少ないから、なかなか発音できないんじゃないかなと思ったんですが、そうでもなかったんです。 やっぱり問題は山形の方言でした。「〜だべ」とか「〜びゃ」とか、辞書には載ってない言葉。大家さんと話すたびに、私が日本へ留学したのか中国へ留学したのかあいまいでした。それで最初は大家さんとはあまり話したくなかったのです。 しかし、大家さんと会うのを楽しみにしてたことがあります。それは毎月30日、家賃を払う日です。なぜその日が楽しみかというと、美味しいお菓子をもらえるからです。食べたこともない日本のお菓子、おばあさんが栽培した果物や野菜などをもらえるんです。家賃を払いに行くと、私は早く家賃を払ってお菓子をもらって帰りたいんですが、おばあさんは私に山形方言で何か言おうとします。私は、何を言っているのかよく分かりません。でも私、ここでおばあさんの愛を感じるのです。言葉は通じないかもしれないです。自分が育ってきた環境もちがいます。それから年齢もちがいます。 しかし、一つ分かるのはその人の笑顔です。私はそのことをおばあさんにみました。愛というのはお互いに話さなくても、その笑顔をみるだけで通じるものだと思いました。こんな風に、私はおばあさんがだんだん好きになりました。最初はただお菓子をもらえるから嬉しかったんですが、今はおばあさんの笑顔が見られるから嬉しくなりました。たまに、朝アパートを出る時会うんですが、私が「おはようございます」「〜行ってきます」と言ったら、おばあさんは「いってらしゃい」と返事してくれます。こんな風に返事してくれる人がいるなんて……。このむつみ荘に住んでて良かったなと思いました。 安い家賃、他の人と共同で生活できる、美味しいお菓子も食べられる、それから優しいおばあさん、私にとってはお金で買えない位の宝物。今までの生活、そして今からの生活でも、おばあさんみたいな人はいないでしょう。 みなさん、おばあさんに会いたくないですか? 会いたいなら片谷地のむつみ荘へ来てください。 おばあさん大好きです。またいつか会いましょう。さよならむつみ荘。 |
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