平成21年度大学教育推進プログラムに本学人間福祉学科の取組が採択
平成21年度「大学教育・学生支援推進事業」(大学教育推進プログラム)に、本学人間福祉学科の取組「生活関連図による地域体験活動と授業の統合」が採択されました。
このプログラムに申請した件数は大学・短期大学・高等専門学校、全体で649件、うち短期大学の申請件数は68件、採択件数は11件で、私立短期大学の採択件数は8件です。
申請書の概要部分を紹介します。詳細については追って報告します。
介護実習は、大学で学習した知識や技術を現場で実践しながら、自分に不足している内容を確認し、大学に戻ってから学ぶための動機づけの場とし重要な意味をもっている。しかしながら、大学で習得した知識や技術を高齢者や障がい者(以下、「利用者」という)のために活用したいと思って実習に臨んだ学生が、利用者の実態と予想との大きな落差に戸惑い、介護を展開できなかったという無力感から、自身の適性を疑い、介護職への進路に迷いが生じてしまう場合が少なくない。こうした学生は目的意識が低下するので、教員は学習指導にかなりの労力を要している。
本取組は、介護実習前に、利用者を理解する基本的技術としての学生のコミュニケーションスキルを高めると同時に、大学での学び方を向上させ、学生の感じる落差を最小限にとどめて学習意欲を持続させる。そして、現場と大学の学びを有機的に関連づけて理解できるようにして学習能力を向上させ、学びの集大成としての卒業研究に結びつけ、可能性志向型課題解決能力のある介護福祉士を養成することを目的としたものである。
本取組の内容は、本学科でこれまで行ってきた地域交流活動およびボランティア活動を地域活動体験として組織化し、学生が継続的に地域社会と交流する。また、学生自身で計画を立て、交流のあった地域の人々を本学に招いてもてなす山短サロンを実施する。さらに、体験内容を視覚化した生活関連図を作成して、関連した授業科目の中で説明をすることによって、介護福祉の実践と理論を多面的かつ総合的に学べるようにしたものである。さらに、学生の疑問や質問に対して、リアルタイムで教材を作成しフィードバックをすることにより、学生の目的意識や学習意欲を高める一種の双方向型の学習といえる。
生活関連図は本学科で独自に作成した図で、利用者(事例)を中心に据え、顕在化した問題のほかに、利用者の背後にある潜在問題、利用者のもてる能力等を総合的な見地から関係図にしたものである。多様な視点から総合的に理解したり、得られた知識や技術を多様な場面で応用したり、表面に見える事象から背後に潜んでいる要因を追及する認識法を習得させることに有効な教材である。介護福祉の分野で一般的な問題志向型アセスメントではなく、利用者の可能性(もてる力)に焦点を当て、よいところを評価し、生活援助や介護の方針を立てるために検討する視点が含まれている。